ヨーガ

ヨーガ

<ヨーガの歴史>

ヨーガというと、若い女性の間では、ホットヨガとかパワーヨガとかで、フィットネスや美容と健康のための体操のようなイメージがあります。

あるいはインドのヨーガの行者で超人的な能力を持った人のように思われるかもしれません。

本来のヨーガ(yoga)(漢訳は瑜伽(ゆが))は、古代インドを発祥の伝統的な宗教的行法と深く結びついていて、ジャイナ教、バラモン教、ヒンドゥ教、仏教などの修行法でもありました。

仏教の教祖となった釈迦もヨーガの修行により悟りを得たとされています。

ヨーガの行法は中国、日本にも伝えられ、坐禅となりました。その原語はディヤーナ(禅那)で、ヨーガ・スートラ第2章に記述されるディヤーナと同語です。ヨーガのパドマ・アーサナ(蓮華坐)は結跏趺坐に相当します。

日本には、806年に唐より帰国した空海によってヨーガ(瑜伽)がもたらされたとされています。

その後、真言宗や天台宗の「阿字観」等の密教の行法として、現在に伝わっています。

ヨーガの語源は、「牛馬にくびきをつけて車につなぐ」という意味のyuj(ユジュ)から派生した名詞で、「結びつける」という意味があるとされています。

そこから、自らの感覚器官を制御し、瞑想によって精神を集中して、心の作用を止滅することを意味するようになったと言われています。

そして古代インドの人生究極の目標である輪廻転生からの「解脱(モークシャ)」を目的としていたという説があります。

それまで祭儀をつかさどる司祭たちが神々と交信するための神通力を得ようと様々に開発した思想と実践法を、4-5世紀頃にパタンジャリが「ヨーガ・スートラ」として編纂しとされています。

それが、ヴィベーカーナンダやH・P・ブラヴァツキーなどの近代ヨーガの推進者たちによって、ヨーガの「基本教典」とみなされるようになりました。

『ヨーガ・スートラ』では、ヨーガを次のように定義しています。

ヨーガとは心素の働きを止滅することである (『ヨーガ・スートラ』1-2)

そのとき、純粋観照者たる真我は、自己本来の姿にとどまることになる (『ヨーガ・スートラ』1-3) 

 

<ヨーガの種類> 

<静的なヨーガと動的なヨーガ>

ヨーガには静的なヨーガと動的なヨーガに分類されます。

人間の精神性に重きをおく静的なヨーガには、古典ヨーガの流れを汲むラージャ・ヨーガ、社会生活を通じて解脱を目指すカルマ・ヨーガ(行為の道)、人格神への献身を説くバクティ・ヨーガ(奉仕の道)、哲学的なジュニャーナ・ヨーガ(知識の道)があります。

<カルマ・ヨーガ>

日常生活を修行の場ととらえ、善行に励みカルマの浄化を図るヨーガ。見返りを要求しない無私の奉仕精神をもって行う。教典は『バガヴァド・ギータ』。

<バクティ・ヨーガ>

神への純粋な愛をつちかい、グルがいる場合はグルを、その他の普遍的な愛の対象がある場合はその対象を、超意識(宇宙的な意識)の化身とみなし、全てを神の愛と見て生きるヨーガ。近代の大覚者ラーマクリシュナが有名。経典は『バガヴァッド・ギーター』

<ジュニャーナ・ヨーガ>

「私は誰か」などの哲学的な問いを通して真我を悟るヨーガ。20世紀を代表する聖者の一人であるラマナ・マハルシは、このヨーガで大悟したとされる。

ヴィヴェーカーナンダやシュリ・オーロビンド、ラマナ・マハルシら近代の聖者である指導者たちは、これらを本来のヨーガの対象とし、ハタ・ヨーガはむしろ危険か浅薄なものとして考えていたようです。

<ラージャ・ヨーガ>

ラージャ・ヨーガの「ラージャ」は「王の」という意味で、「マハー(偉大な)・ヨーガ」とも呼ばれています。『ヨーガ・スートラ』には以下の8部門があると説いています。

  1. ヤマ(禁戒)
  2. ニヤマ(勧戒)
  3. アーサナ(座法)
  4. プラーナヤーマ(調気、調息)
  5. プラティヤーハーラ(制感)
  6. ダーラナー(凝念)
  7. ディヤーナ(静慮・瞑想)
  8. サマーディ(三昧)

その第2段階(ニヤマ)のうち、苦行、読誦、自在神への祈念の3つをクリヤー・ヨーガ(行事ヨーガ)といわれています。クリヤーは行為の意で、『ヨーガスートラ』でのクリヤー・ヨーガは準備段階に当たります。

これら8つの段階で構成されることから、ラージャ・ヨーガをアシュターンガ・ヨーガ(八支ヨーガ)とも言います。

<ハタ・ヨーガ>

伝統的な動的ヨーガは、肉体的・生理的な鍛錬(苦行)を重視し、気の流れを重んじ、肉体の能力の限界に挑み、大宇宙の絶対者ブラフマンとの合一を目指すハタ・ヨーガがベースとなっています。

12世紀〜13世紀に動的なヨーガとしてハタ・ヨーガが出現したとされます。

16世紀の行者スヴァートマーラーマのヨーガ論書「ハタ・ヨーガ・プラディーピカー」によって体系化されました。

「ハタ」は「力」(ちから)を意味し、サンスクリット語で「太陽」を意味する「ハ」と、「月」を意味する「タ」という語を合わせた言葉であると説明されています。

したがってハタ・ヨーガとは陰(月)と陽(太陽)の対となるものを結びつけて統合するヨーガ流派とされています。

ハタ・ヨーガは、身体を鍛練するアーサナと浄化の実践、呼吸のコントロール、そこから得られるリラクゼーションと瞑想によってもたらされる心の落ち着きを通して、精神と身体の調和を図ります。

内容としては姿勢(アーサナ)や印相(ムドラー)や呼吸法(プラーナーヤーマ)、クリヤ(浄化法)などを重視し、肉体的操作により、深い瞑想の条件となる強健で清浄な心身を作り出します。

ハタ・ヨーガを体系化したスヴァートマーラーマは、「ハタ・ヨーガはより高いレベルの瞑想、つまり、ラージャ・ヨーガに至るための準備段階であり、身体を鍛錬し浄化する段階である」と位置付けています

その中でも、クンダリニー・ヨーガはハタ・ヨーガの奥義とされ、ムーラーダーラに眠るというクンダリニーを覚醒させ、チャクラを活性化させ悟りを得ることを目指すとされています。

<現代ヨーガ>

現在、欧米で学習されているハタ・ヨーガの大半は、身体的ポーズ(アーサナ)が重視され、19世紀後半から20世紀前半に西洋で発達した身体の鍛錬を強調する運動に由来し、健康やフィットネスを目的とするエクササイズとなって大衆的な人気を得ています。

現在、世界中に普及しているヨーガのほとんどは、この新しい「現代のハタ・ヨーガ」です。

これは浄化法やムドラー、プラーナーヤーマを重視する古典的なハタ・ヨーガとは別物です。

ところが、それらが伝統的な「ハタ・ヨーガ」の名でまとめられ、『ヨーガ・スートラ』の伝統に基づくと解釈されています。

いわゆる「現代のハタ・ヨーガ」と言われるものには、パワーヨーガ、ホットヨガ、マタニティヨガ、アイアンガーヨガなどがあります。

ヨーガ行者としてアメリカで有名となったパラマハンサ・ヨガナンダの弟でボディビルダーのB・Cゴーシュは、1930年代以降に体操やボディビルディングを融合させたヨーガを広めました。

そしてホットヨガとして有名になったビクラム・ヨガは、ビクラム・チョードリー自身がゴーシュの学校で教わった運動競技的なアーサナから派生して生まれています。

<ビクラム・ヨガ>

室温40℃前後~50℃前後、湿度約60%の環境を設定し、2種類の呼吸法26種類の「 ハタ・ヨーガ」のポーズ(アーサナ)を組み合わせて行うヨガで、ビクラム・チョードリーによって考案されました。

70年代、ビクラム・チョードリー氏が東京でヨガ教室をオープンさせた際に、あまりの冬の寒さに、ヨガを行う環境に適していないとして、教室にストーブなど暖房器具を持ち寄り、インドの高温多湿さを再現してレッスンを行っ たのがホットヨガの起源とされています。

ビクラムヨーガの団体は、日本で「HOT YOGA」「ホットヨガ」の商標登録を出願して2004年11月に一旦は商標登録されましたが、2006年10月に向こう審判が請求されて2008年3月に無効が確定しています。

<ホット・ヨーガ>

ホット・ヨーガは、室温35〜39度前後、湿度60%前後に保たれた室内でアーサナを中心としたエクササイズを行うヨーガで、パワー・ヨーガ、ビクラム・ヨーガ(40度以上で行う)、フォレスト・ヨーガなどの形態があるとされています。

<アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガ>

現在のパワー・ヨーガの源流ともなっているヨーガ。呼吸と共にアーサナを行います。

現在、一般的に「アシュタンガ・ヨガ」と呼ばれているものは正式には「アシュタンガ・ヴィンヤサ・ヨガ」といわれています。

シュリ.K.パタビジョイス師が創始者で、現在は継承者でパッタビ・ジョイスの孫であるシャラスが指導しています。このヨーガの大本山とされる南インドの都市マイソールにアシュターンガ・ヨーガ研究所 (AYRI) があります。ハリウッドで活躍するセレブやアスリート達をはじめ、世界中の人々に支持されています。

ポーズ
 同じポーズを決められた順番で、途切れる事無く短時間で繰り返していくのが特徴です。

 さまざまなポーズを流れるように速いテンポで、連続的につなげていくスタイルのヨガなので、かなりの運動量になります。

呼吸
 その「ポーズと呼吸法を連動させて身体を動かしていきます。口を閉じて息を鼻から吸い込み、また鼻から出す胸式呼吸が原則です。

<パワーヨガ>

アシュターンガ・ヴィニヤーサ・ヨーガをベースにしたヨーガで、アーサナを通して肉体に負荷をかけることにより脂肪を燃焼させ、美しい肉体を作ることを目的として主にアメリカで開発されました。

 ハタ・ヨーガが、1つのポーズをとったまま一定時間静止した上で次のポーズに移行するのに比べ、アシュターンガ・ヴィニヤーサ・ヨーガをベースにしたパワー・ヨーガは、各種ポーズをストレッチのように一連の流れの中で行うのが特徴とされています。

また、アシュターンガ・ヴィニヤーサ・ヨーガに比べ、1つのポーズの静止時間は長く、この点ではハタ・ヨーガの要素も取り入れられています。その目的はハタ・ヨーガとは異なり、フィットネスが主な目的とされています。

  筋力トレーニングとそれによってもたらされる瞑想的な状態にポイントを置き、身体能力の強化と集中力を高めることを目的としたエクササイズで構成されています。

ダイナミックなポーズやハードな動きが多用され、運動量は多く、代謝や発汗が高まります。エクササイズ的な要素が強いので、身体を動かすヨガを求めている生徒にとっては最適のヨガとされています。

 運動量は多いが、筋肉への負担が少なく、短期間に肉体強化を行うことができ、高いダイエット効果も実感できるということから、初心者でも気軽に取り組めるダイエット法として人気を集めています。

そのため、ハリウッドスターを中心に一大ブームとなり世界中のセレブが美容法に取り入れているヨガとしても有名です。

肉体的に健康な若者に人気があり、ハリウッドスターを中心に一大ブームとなり先進諸国に広がったことから「ハリウッド・ヨーガ」ともいわれています。

90年代ごろから世界中で人気が爆発し、世界的なヨガブームの火つけ役でもあります。

 

<アイアンガー・ヨガ>

アイアンガーヨガとは、B.K.S アイアンガー師(1918年 – 2014年)によって編み出されたヨガのメソッドです。

1966年に『ハタヨガの真髄』 (Light on Yoga) を著作し、それが国際的なベストセラーとなり、世界的なヨーガブームを引き起こし、世界中で数百万の信奉者がいると言われています。

アイアンガーヨガは、補助具を使用することが大きな特徴で、安全性や運動の効果を高める工夫をすることで、年齢や各自の体質、体調など、個人の差を補ってくれます。幅広い層が、無理なく、自分のペースで取り組めるヨガと言えます。

瞑想にポイントをおいているため、他のヨガに比べるとひとつのポーズで静止する時間が少し長くなります。

呼吸法に合わせ1つのポーズを丁寧に維持することで、身体の正しい位置や呼吸に意識を集中させることが出来ます。

そのような瞑想状態を作り、集中力を高めて心身の安定と調和を図り、より理想的な状態へ近づくことが出来るように指導がなされています。

マタニティ・ヨーガ>

マタニティヨガとは妊産婦の出産前後の「心と体の安定」を目指すためのヨガ。

呼吸に合わせ、無理のないポーズを穏やかに行います。

ヨーガの体操や呼吸法を通して母子とのつながりを実感し、命の尊さを自覚する事によって、出産後の子育てが意欲的に取り組めるようになるとされています。

呼吸と共に行うヨーガの体操は妊婦の心の状態を安定させる効果や、分娩時の痛みのコントロールにもつながるとされています。

<インド政府の取り組み>

2014年にはインド政府は「ヨガ・アーユルベーダ・伝統医学省」を設立し、国連加盟各国に働きかけて夏至の6月21日を「国際ヨガの日」として国連総会で定めることに成功しました。

そして、2016年にはインドの無形文化遺産としても登録されました。

その後、インド政府認可のヨガ検定が一般社団法人全日本ヨガ連盟によって実施されています。 

              (ウィキペディア参照)

<ヨーガの瞑想方法>

ヨーガには数多くの流派と考え方が混在しています。

その中で、ヨーガの本質を理解し、自分の目的にあったヨーガを実習すると良いでしょう。

まず、ヨーガを実習するための体の準備と環境を整えます。

<体の準備>

空腹時に行う。できれば食後2〜3時間後が望ましい。

服装は動きやすい、楽でゆったりとした服装。体を締め付けるブラジャーや下着、腕時計やアクセサリーなどは外しておくといいでしょう。

<環境の準備>

清潔でくつろげるゆったりとした環境づくり。室内の換気を十分にして、新鮮な空気を取り込み室温は適度に暖かい方が、体が動きやすく快適です。

気持ちよくくつろぎながら、気が散漫にならないように、ヨーガに集中できるように、TVやラジオなどは消しておくといいでしょう。

できればヨガマットなどを準備します。手足が滑らずに身体が固定されポーズを補助してくれます。また汗を吸収し、硬い床に直接触れることがないので、身体への負担も軽減されます。

<呼吸>
ヨーガで最も重要な要素です。ポーズより呼吸をどれだけ正しく行うかが、ヨガの効果へとつながります。

ヨガの呼吸は鼻で行う「腹式呼吸」が基本です。ヨガ中は集中力を持って、呼吸に意識を向けます。口は閉じておきます。鼻から吸い込んだ息は、しばらく暖めて肺へと流します。またこの呼吸で全身に酸素を送り込み、体を浄化してくれます。

<アサナ(ポーズ)>
無理をしないことが大切です。身体が屈伸した時に感じる「適度な心地良い痛み」がその目安です。

どれかひとつのポーズでも自分ができる姿勢と動きに、意識的に呼吸を合わせて行くことで、十分にヨーガの効果が得られます。ヨーガのクラスで行うときにも、他の人と比べず自分のペースで行いましょう。

全ての動作は呼吸を意識しながら、ゆっくりと行います。力まずに落ち着いた気持ちで、呼吸を1つ1つの動作に動作に合わせて行うことが大切です。

<ヨーガの効果>

ダイエットとストレス解消、体質改善などの効果があります。

・ ダイエット効果

ヨガは、効率的に不要な脂肪を燃焼させながら基礎代謝を高めるなど「体質改善」が期待できます。

健康的で理想的なプロポーション作りが出来る事から、「ダイエット」に効果的であると考えられています。

ヨガの運動には、ゆっくりと体をストレッチさせるポーズが多く存在します。
これは、普段あまり使わない部分の筋肉をほぐして効率的に脂肪を燃焼させ、さらに筋力をつけ基礎代謝のアップを図る事が出来ます。これがダイエット効果へと導いてくれるのです。

また、ヨガの際に行う呼吸法もダイエット効果の最大の要素となります。正しい呼吸法を行う事で、有酸素運動を促進させ、さらなる脂肪燃焼を助けます。

・ メンタル面への効果

ヨガで行う呼吸法やポーズは、余分な心身の緊張を解きほぐしたり、心のバランスを整えるなど、「ストレス解消」に効果があります。また、ヨガの時に行う大切な要素の一つ「瞑想」も、自然に自分の身体へと意識が向かわせる事から、集中力アップの効果を望めます。

乱れた心を落ち着かせたり、物事を前向きに捉えられるようになるバランス効果など、メンタル面での調整にも効果が期待できます。

このメンタル面のバランス効果により、日常生活での作業やコミュニケーションなど、様々な場面での能力アップが期待できます。

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